本記事は複利の仕組みの計算・解説であり、特定の金融商品の推奨や投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。
「月3万円の積立投資を続けると将来いくらになるのか」。よく見る話題ですが、他人の数字を眺めるより自分で計算した方が納得できるので、計算式から実際に算出しました。結論の数字だけでなく、その数字がどれだけ前提に依存するかまで含めて記録します。
計算の前提
- 毎月3万円を積み立て、月次で複利運用(積立の将来価値の標準式で計算)
- 利回りは年3%・5%・7%の3シナリオ。いずれも保証された数字ではなく、仮定です(7%は米国株式市場の長期平均に近い楽観値、3%は保守値)
- 税金は考慮しない(NISA口座での運用を想定すれば運用益は非課税)
結果:月3万円 × 10/20/30年
| 期間 | 元本 | 年3% | 年5% | 年7% |
|---|---|---|---|---|
| 10年 | 360万円 | 419万円 | 466万円 | 519万円 |
| 20年 | 720万円 | 985万円 | 1,233万円 | 1,563万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 1,748万円 | 2,497万円 | 3,660万円 |

注目すべきは期間による構造の変化です。10年では利回りの差はたった100万円程度(3%と7%で)。ところが30年では約1,900万円の差になります。複利は「最初の10年はほぼ効かず、最後の10年で爆発する」性質を持っています。途中でやめると一番おいしい区間を捨てることになる——これが「長期投資」と言われる数学的な理由です。
利回りより確実な変数:手数料
将来の利回りは選べませんが、手数料(信託報酬)は今日選べます。グロス年5%の運用を仮定し、信託報酬0.1%(低コストインデックスファンド水準)と1.5%(高コスト投信にありがちな水準)を比較すると:
| 期間 | 信託報酬 0.1% | 信託報酬 1.5% | 差額 |
|---|---|---|---|
| 20年 | 1,219万円 | 1,041万円 | 178万円 |
| 30年 | 2,451万円 | 1,906万円 | 545万円 |
同じ月3万円・同じ市場に投資しても、手数料の選択だけで30年後に545万円——元本の半分に相当する金額が消えます。手数料も複利で効くからです。将来の利回りは不確実ですが、この差額はほぼ確実に発生します。不確実なものに期待する前に、確実なコストを潰すのが計算上の正解です。
正直な注意点(ここを飛ばさないでください)
- 実際の市場は毎年◯%で均等に増えない。大きく下がる年が必ずあり、特に取り崩し直前の暴落は結果を大きく変えます(取り崩し時期の柔軟性がリスク対策になります)
- 過去の平均利回りは未来を保証しない。当サイトのトレード戦略の検証で「過去に最適だった設定は未来に通用しない」ことを確認しましたが、積立インデックス投資が個別のエッジ探しと違うのは、特定のパターンではなく市場全体の長期成長に賭ける点です。それでも「成長し続ける保証」自体はどこにもありません
- 元本割れの期間は普通に発生します。上の表の10年時点ですら、タイミング次第で元本を下回り得ます
まとめ
- 月3万円×30年は、元本1,080万円が仮定次第で1,700万〜3,700万円になる。ただし複利が効くのは後半。継続できる金額設定がすべて
- 利回りは選べないが手数料は選べる。信託報酬の差は30年で545万円
- 月3万円の原資は収入増より固定費の見直しが速い。当サイトでは固定費を契約期間の総額で判断する計算例も公開しています
